仕事や家事、育児に追われる毎日。気が付けば心身共に疲れ果てて、何も手につかない…そんな経験はありませんか?
そんな時におすすめなのが、近年注目を集めている「陰ヨガ」です。従来のヨガとは異なり、筋肉ではなく体の深部にある筋膜にアプローチすることで、心身をリラックスさせ、様々な効果をもたらします。
「運動が苦手…」
「体が硬いからヨガは無理…」
そんな方でも大丈夫!陰ヨガは、無理なポーズを取る必要はありません。自分のペースでゆっくりと行うことができるので、ヨガ初心者の方でも安心して取り組むことができます。
この章では、陰ヨガの魅力と効果、そして初心者の方でも簡単にできるおすすめポーズを紹介していきます。
忙しい毎日を頑張るあなたへ、陰ヨガで心と体の癒しを体験してみませんか?
陰ヨガとはどんなヨガなのか
陰ヨガの特徴とメリット
陰ヨガとは、一つのポーズを3分から5分ほど長くキープすることで、筋肉ではなく筋膜や結合組織に働きかけるヨガです。
筋膜や結合組織は、体の内部を包み込んでいる薄い膜のようなもので、関節や内臓などにも関係しています。
陰ヨガでは、この膜を伸ばすことで、可動域を広げたり、血液やリンパの流れを改善したり、老廃物の排出を促したりする効果が期待できます。
また、ポーズを長く保つことで、呼吸を深くすることができ、リラックス効果も高まります。
陰ヨガのメリットは、以下のようにまとめられます。
- 体の硬い人や運動不足の人にも取り組みやすい
- ストレスや疲労を軽減する
- 自律神経のバランスを整える
- 心の平安を得る
陰ヨガと陽ヨガの違いとは
ヨガには、陰ヨガのほかにも陽ヨガという種類があります。陽ヨガとは、筋肉を使って動くヨガのことで、代表的なものにはハタヨガやアシュタンガヨガなどがあります。
陽ヨガでは、筋肉を鍛えたり、代謝を上げたり、体温を上げたりする効果があります。
陰ヨガと陽ヨガは、それぞれ体の内側と外側、静と動、冷と熱という対極のものと考えられます。しかし、それぞれが補完しあう関係にもあります。
陰ヨガで体の内側をほぐすことで、陽ヨガで体の外側を動かすことがよりスムーズになります。また、陽ヨガで体を温めることで、陰ヨガで体を冷やすことができます。
陰ヨガと陽ヨガをバランスよく行うことで、心身の調和を目指すことができます。
陰ヨガの由来と背景
陰ヨガは、中国の道教に由来すると言われています。道教では、気という生命エネルギーが体の中を流れていると考えられています。
この気の流れを経絡と呼びます。経絡には、陰経絡と陽経絡という二つの種類があります。陰経絡は、足の裏から腹部や胸部にかけて流れており、内臓や感情に関係しています。
陽経絡は、手のひらから背中や頭部にかけて流れており、筋肉や運動に関係しています。
陰ヨガでは、陰経絡に沿ってポーズを行うことで、気の流れをスムーズにし、内臓の働きや感情のコントロールを助けると考えられています。
陰ヨガは、ポール・グリリーというアメリカ人のヨガインストラクターによって広められました。
彼は、タオイストヨガという中国の伝統的なヨガを学んだヨガをベースに、アナトミーや心理学の知識を取り入れて、陰ヨガの理論や実践を発展させました。
彼は、陰ヨガの教えを世界中に広めるとともに、多くのヨガインストラクターを育てました。現在では、陰ヨガは世界中で人気のあるヨガの一つとなっています。
陰ヨガで得られる8つの効果とは
陰ヨガを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、陰ヨガで得られる8つの効果を紹介します。
可動域を取り戻す
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、筋肉ではなく筋膜や結合組織に働きかけます。
筋膜や結合組織は、年齢とともに硬くなったり、縮んだり、癒着したりすることで、関節の可動域を制限します。
陰ヨガでは、この硬くなった膜を伸ばすことで、関節の可動域を取り戻し、柔軟性や動きやすさを向上させることができます。
全身の組織に新たな活力をもたらす
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、筋膜や結合組織に圧力をかけます。この圧力によって、血液やリンパの流れが一時的に妨げられます。
しかし、ポーズを解放すると、新鮮な血液やリンパが流れ込み、酸素や栄養素を全身の組織に届けます。
これによって、細胞の再生や修復が促され、全身の組織に新たな活力をもたらすことができます。
体への感謝の心を育む
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、自分の体の感覚や変化に気づくことができます。自分の体の状態を観察することで、自分の体への理解が深まります。
また、自分の体が持つ能力や限界を受け入れることで、自分の体への感謝の心が育ちます。
自分の体に感謝することで、自分の体を大切にすることができます。
スピードを落としてリラックスする
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、呼吸を深くすることができます。呼吸を深くすることで、副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が下がります。
これによって、ストレスや緊張が解消され、リラックス効果が得られます。また、ポーズを長くキープすることで、時間の感覚が変わります。
普段の生活では、スピードや効率を求められることが多いですが、陰ヨガでは、スピードを落として、今の瞬間に集中することができます。
これによって、心の静けさを感じることができます。
自分を思いやることを教えてくれる
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、自分の体や心に不快な感覚が生じることがあります。
このとき、無理をしないことが大切です。自分の体や心のサインに気づき、調整や休憩をすることができます。
これによって、自分を思いやることを教えてくれます。自分を思いやることで、自分の幸せを優先することができます。
感情と向き合うことができる
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、自分の心に感情が湧き上がることがあります。
このとき、感情を否定したり、逃げたりしないことが大切です。
感情を受け止めたり、表現したりすることができます。これによって、感情と向き合うことができます。
感情と向き合うことで、感情のコントロールや解放ができます。
副交感神経を優位にする
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、副交感神経が優位になります。
副交感神経とは、リラックスや回復に関係する神経です。
副交感神経が優位になることで、自律神経のバランスが整い、免疫力や消化力が向上します。
また、副交感神経が優位になることで、睡眠の質も改善されます。
睡眠は、体や心の健康にとって非常に重要です。
瞑想の準備段階になる
陰ヨガでは、ポーズを長くキープすることで、瞑想の準備段階になります。瞑想とは、心を静めて、自分の内側に向かうことです。
瞑想をすることで、集中力や洞察力が高まります。また、瞑想をすることで、自分の本質や宇宙とのつながりを感じることができます。
瞑想は、心の平安や幸福感をもたらします。
陰ヨガのおすすめポーズ4選とやり方
陰ヨガには、さまざまなポーズがありますが、ここでは、初心者におすすめのポーズ4選とやり方を紹介します。
ポーズを行うときは、以下の点に注意してください。
- 無理をしない:
自分の体の感覚に従って、適度な強度でポーズをキープします。痛みや苦しさを感じたら、ポーズを調整したり、休憩したりします。 - 呼吸に意識を向ける:
ポーズをキープする間は、深くゆっくりと呼吸します。呼吸に意識を向けることで、リラックスしたり、ポーズの効果を高めたりすることができます。 - 心を開く:
ポーズをキープする間は、心の感覚にも気づきます。心に湧き上がる感情や思考を否定せずに受け入れます。心を開くことで、自分自身と向き合うことができます。
それでは、ポーズの紹介に入りましょう。
足首のストレッチ
足首のストレッチは、足首やふくらはぎの筋膜や結合組織を伸ばすポーズです。
足首やふくらはぎは、歩くや立つなどの日常的な動作に関係していますが、硬くなりやすい部位でもあります。
足首やふくらはぎをほぐすことで、足のむくみや冷えを改善したり、姿勢やバランスを良くしたりすることができます。
やり方は以下の通りです。
- 床に座って、両足を前に伸ばします。
- 右足の甲を左手でつかみ、右足の指を自分の方に引きます。このとき、右足の裏が床に平行になるようにします。
- 右足の指を3分から5分ほど引き続けます。この間、呼吸に意識を向けます。
- 右足の指をゆっくりと戻します。
- 左足にも同じように行います。
バタフライポーズ
バタフライポーズは、内ももや股関節の筋膜や結合組織を伸ばすポーズです。
内ももや股関節は、座るや開脚するなどの動作に関係していますが、柔軟性が低下しやすい部位でもあります。
内ももや股関節をほぐすことで、骨盤の歪みや下半身の冷えを改善したり、生殖器や泌尿器の働きを良くしたりすることができます。
やり方は以下の通りです。
- 床に座って、両足の裏を合わせて前に出します。このとき、両足のかかとは自分の方に近づけます。
- 両手で両足の指をつかみます。
- 背筋を伸ばして、上体を前に倒します。このとき、胸を開いて、顎を引きます。
- 上体を前に倒したまま、3分から5分ほどキープします。この間、呼吸に意識を向けます。
- ゆっくりと上体を戻します。
ドラゴンフライポーズ
ドラゴンフライポーズは、内ももや腰の筋膜や結合組織を伸ばすポーズです。
内ももや腰は、開脚や前屈するなどの動作に関係していますが、緊張しやすい部位でもあります。
内ももや腰をほぐすことで、骨盤や脊柱の可動域を広げたり、内臓の圧迫を緩和したりすることができます。
やり方は以下の通りです。
- 床に座って、両足をできるだけ広げて横に開きます。このとき、両足の裏は床につけます。
- 両手を前に伸ばして、上体を前に倒します。このとき、背筋を伸ばして、顎を引きます。
- 上体を前に倒したまま、3分から5分ほどキープします。この間、呼吸に意識を向けます。
- ゆっくりと上体を戻します。
バナナポーズ
バナナポーズは、横隔膜や背中の筋膜や結合組織を伸ばすポーズです。
横隔膜や背中は、呼吸や姿勢に関係していますが、呼吸が浅くなったり、姿勢が悪くなったりすることで、硬くなりやすい部位でもあります。
横隔膜や背中をほぐすことで、呼吸の質や深さを改善したり、背中の痛みや猫背を改善したりすることができます。
やり方は以下の通りです。
- 床に仰向けに寝て、両足を伸ばして揃えます。
- 両手を頭の上に伸ばして、手のひらを合わせます。
- 両足と両手を右に寄せて、体をバナナの形に曲げます。このとき、両足と両手は床から離さないようにします。
- 体をバナナの形に曲げたまま、3分から5分ほどキープします。この間、呼吸に意識を向けます。
- ゆっくりと体を真っ直ぐに戻します。
- 左にも同じように行います。
陰ヨガを始める前に知っておきたい注意点とコツ
陰ヨガを始める前に、以下の注意点とコツを知っておきましょう。
- 体調や気分に合わせて行う:
陰ヨガは、体や心の状態によって、感じ方や効果が変わります。その日の体調や気分に合わせて、ポーズの選択や強度を調整します。無理をしないことが大切です。 - 食事や水分の摂り方に注意する:
陰ヨガは、内臓や消化器にも影響を与えます。陰ヨガを行う前には、食事や水分を控えめにします。陰ヨガを行った後には、水分やハーブティーなどを十分に摂ります**。食事や水分の摂り方に注意することで、陰ヨガの効果を最大限に引き出すことができます。 - 温度や服装に気をつける:陰ヨガは、体温が下がりやすいヨガです。陰ヨガを行うときは、室温を適度に保ったり、暖かい服装をしたり、ブランケットやクッションを用意したりします。温度や服装に気をつけることで、体や心のリラックスを促すことができます。
- 音楽や香りを楽しむ:
陰ヨガは、音楽や香りとも相性が良いヨガです。陰ヨガを行うときは、自分の好きな音楽や香りを選んで、五感を刺激します。音楽や香りを楽しむことで、心の安らぎや集中力を高めることができます。
まとめ:陰ヨガで心身のバランスを整えよう
陰ヨガとは、一つのポーズを長くキープすることで、筋肉ではなく筋膜や結合組織に働きかけるヨガです。
陰ヨガを行うことで、可動域や血液の流れを改善したり、リラックスや自律神経のバランスを整えたり、心の平安や感情のコントロールを得たりすることができます。
陰ヨガは、体の硬い人や運動不足の人にも取り組みやすく、ストレスや疲労を軽減する効果もあります。
陰ヨガを始める前には、食事や水分の摂り方や温度や服装に気をつけることが大切です。
陰ヨガで心身のバランスを整えて、健康で幸せな生活を送りましょう。